身近な自然の楽しみかた

「いま歩いてきた道で、15種類くらいはお花が咲いていたかなー」
「うそー、そんなに咲いているの?」「わかんないよ」

ぱっと目につく花が少なくなって、緑が濃くなった森の中を子どもたちと歩いていたときの会話です。
いま、まちを歩けば、白や黄色、青や紫、ピンクなど色とりどりの花が花壇や家の庭先で咲き乱れている様子を見ることができます。ところが、いざ森の中に入るとまちにあるような、パッと華やかな花は少ないのです。みなさんは、みどり色の花びらをつける花や花びらがない花がこの世の中に多くあることをご存知でしょうか。見るということと見て気づくということは、ちょっとニュアンスが違います。きっと目には入っているけど、気がつかない、どんなことでも同じことはいえますね。

いまは春の花が終わって、夏の花が咲き始めるふっとした休戦期。目立つ花は少ないけれど、森の中では、早くに咲き終わった植物が実をつけ次に咲くまでの準備に取り掛かっている姿や、秋の終わりに花をつける葉っぱが勢いよく伸びている姿をみることができます。よく目を凝らして、真剣に「見る」ことをはじめると、いつもとは違ったものが見えてくるかもしれませんね。


「実をつけた状態ではみなさんもなじみが深いツルウメモドキはこんなお花を咲かせます」